【令和8年度税制改正】「大胆な投資促進税制」が創設!即時償却・最大7%の税額控除のポイントを税理士が解説
皆様、こんにちは。リフト会計事務所です。
令和8年度税制改正において、事業者の高付加価値な国内投資を支援・インセンティブ強化することを目的とした「大胆な投資促進税制(特定生産性向上設備等投資促進税制)」が新たに創設されました。
企業が持続的な成長を遂げるためには、最新の設備やシステムへの積極的な投資が欠かせません。「大胆な投資促進税制」は、一定の要件を満たす設備投資に対して「即時償却」または「最大7%の税額控除」という強力な税制優遇措置を提供するものです。
今回は、この注目の新税制について、制度の概要や対象要件、手続のポイントを分かりやすく解説します。
1. 大胆な投資促進税制の概要
本制度は、青色申告書を提出する法人・個人事業主が、経済産業大臣の確認を受けた投資計画に基づき対象設備を取得・事業供用した場合に適用を受けることができます。
- 措置期間:令和11年3月31日までに経済産業大臣の確認を受け、確認日から5年以内に取得・供用した場合
- 対象業種:風俗営業等の一部を除く幅広い業種
- 税制措置の内容:
- 即時償却(取得価額の全額を初年度に損金算入)
- 税額控除:取得価額の7%(建物・建物附属設備・構築物は4%)
- ※税額控除の上限は当期法人税額の20%(一定の計画認定を受けることで最大3年間の繰越控除も可能)
2. 主な要件(対象設備・投資規模など)
本税制の適用を受けるためには、設備単体の要件だけでなく、事業全体の投資計画に関する要件を満たす必要があります。
① 対象設備の種類と単体取得価額
生産等設備を構成する以下の新品資産(貸付用や試験研究用、中古資産は除く)が対象です。
- 機械装置:1台/1基 160万円以上
- 工具・器具備品:1台/1基 120万円以上(または40万円以上かつ年間合計120万円以上)
- 建物:取得価額 1,000万円以上(※建物単独の投資計画は不可)
- 建物附属設備・構築物:取得価額 120万円以上(建物附属設備は60万円以上かつ年間合計120万円以上も可)
- ソフトウエア:取得価額 70万円以上
② 投資下限額
投資計画単位での対象設備の取得価額合計が35億円以上である必要があります。 ただし、資本金1億円以下の法人等の中小企業者等は「5億円以上」にハードルが下がります。
③ 投資利益率
投資計画における年平均の投資利益率が15%以上見込まれること。
④ 取締役会等の意思決定
投資計画が取締役会等の適切な機関において決定されていることが必要です(令和7年12月26日以降の決定に限る)。
3. 申請・適用の流れと重要な注意点
本税制の適用を受けるためには、「設備の取得前」に手続きを完了させる必要があります。
- 公認会計士・税理士による事前確認 投資計画書や根拠資料の確認を受け、「事前確認書」の発行を受けます。
- 経済産業局への確認申請 設備を取得する前に経済産業局へ申請し、経済産業大臣の「確認書」を取得します(標準処理期間:約30日)。
- 設備の取得・事業供用 確認を受けた後に設備を取得・稼働させます。
- 事後照合(適合証明書の取得)& 確定申告 事業供用後、事後照合申請を行って「適合証明書」を取得し、確定申告書に添えて提出します。
4. 他の税制優遇との関係
本税制の確認を受けた投資計画の実施期間中は、事業者単位で「中小企業経営強化税制」「地域未来投資促進税制」「カーボンニュートラル投資促進税制」など、一部の設備投資税制の重複適用が制限されますので事前のアセスメントが不可欠です。
投資計画の策定や事前確認はリフト会計事務所へ
「大胆な投資促進税制」は、大型の設備投資やシステム導入を検討されている事業者様にとって、キャッシュフローを大幅に改善できる大変魅力的な制度です。
一方で、「投資利益率15%以上のシミュレーション作成」や「公認会計士・税理士による事前確認」、「他の税制優遇との比較検討」など、専門的かつ厳密な手続きが求められます。
リフト会計事務所では、貴社の投資計画に合わせた最適な税務アドバイスおよび申請に必要な事前確認等のサポートを行っております。大きな設備投資をご検討中の経営者様・ご担当者様は、ぜひお早めに当事務所までご相談ください(実際に現在進行形で、当該税制適用に向けて、一緒に準備を進めているクライアントがいます。)。
参考リンク(経済産業省HP):https://www.meti.go.jp/policy/economy/kyosoryoku_kyoka/henkashien/daitanzeisei/daitan.html
